プロブロガー歴6年のわたしがおすすめする文章術の本を紹介します!
特に同じブロガーやウェブライターの人に読んで欲しい本を厳選。
ウェブ記事の文章は簡潔さが求められるので、小説やエッセイを書きたい人にはすこし不向きな内容です。
逆にサラリーマンのプレゼン資料の文章なんかには簡潔さが求められますから、そういった人にもおすすめ。
文章力が身につくおすすめ本3選
①基礎的な文章力が身につく『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』
正直、この本の情報量は多くありません。
他の文章術関係の本が10だとすれば、これは5とか6といった感じ。
しかし綴らている内容がどれも絶対に外せないクリティカルな要素ばかりです。
あまりにもボリューミーな内容だと、理解が追いつかない部分も多いはず。
この本は「これだけは絶対におさえておこう」という要素が過不足なく載っているので、特に初心者の方が読むとグッと文章力が上がりそうです。
そもそも文章術の本って、その本の文章自体が読みにくかったりしませんか?(笑)
この本はウェブで記事を書いている現役書評家(当時)が書いているので、その文章術の解説どおり、軽快で読みやすい文章になっています。
単純に読み物としてもスラスラと読めて気持ちいいですね。
②スランプの薬『書ける人になる!魂の文章教室』
文章を書くというのは不思議なもので、それ自体が目的となり得ます。
何のために文章を書くか?
お金とかページピューとかフォロワーとか承認欲求とか、外部に目的を設定しなくても、「文章を書くために文章を書く」といった行為が成立してしまうのが、ものを書くことのおもしろい点。
執筆をしていてスランプになる時、外部の目的にとらわれ過ぎている可能性があります。
「お金にならなそうだし、書くのやめようかな」
「こんなこと書いても誰も読まない」
そんな外側への意識が書くことをおっくうにさせ、書く習慣そのものを遠ざける要因になります。
結果、いつの間にか書けなくなってしまう。
この本は書くことそれ自体の素晴らしさ、愛おしさ、美しさを何度も何度も繰り返し訴えてくる本です。
これを読むと「囚われていた心」が少しづつ解放されているような感覚になりました。
思えば、執筆で何かを成す時は一心に文章を生産できている時です。
その意味でも「書くことの楽しさ」は絶対に忘れてはならないことだと思います。
プロになればなるほど、忘れてしまう楽しさ。
執筆で結果が出れば出るほどしがみついてくる何かが、楽しさを少しづつ奪い去っていく。
それは初心者にも遅いかかってくる現象です。
その恐ろしい現象の処方箋として、この本は本棚に置いておきたい。
書けなくなった時の薬になってくれる本です。
発行年はなんと1986年!
詩人で作家のナタリー・ゴールドバークによって書かれました。
「14カ国語で翻訳」「全米で100万部超え」のロングセラーであり、なんと現在手に入れらるのは2019年に復刊したもの。
その事実だけでも、どれだけこの本に普遍性があるかがわかると思います。
文筆家の心の友としてぜひ。
③文章術+仕事術『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』
大ベストセラー『嫌われる勇気』の共著者のライター古賀史健さんによるライター指南本です。
この本に書かれていることは、文章を構成するギミックやテクニックの話だけではありません。
そもそもその文章のネタになる「取材」についても多くの紙幅をとられています。
大雑把に言えば、文章術というより仕事術といった内容です。
ベストセラーライターがどれだけの仕事をしているのか?
この本を読むと、手にとるように分かります。
その頂の高さにたじろぐ思いがしますが、それはある意味でわたしたち文筆家の指針にもなり得ます。
初心者にも、壁にぶつかっている中級者にもおすすめです。
関連記事:古賀史健さん『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』を読みました。ライターの誇り高い仕事がここにある
おすすめ本から学んだ、文章力が身につくコツ5選
コレ以外にも文章術に関する本はたくさん読んだのですが、正直、その手の本をたくさん読んだから上手になるわけじゃない気がします。
ピンポイントなコツを理解したら、あとはとにかく書くこと。
たくさん書いたほうが、けっきょくは上達が早い。
文章力が身につくコツ①とにかく書け
多くの一流エッセイストやコラムニストが言っているのは、もう四の五の言わずとにかく書け!ということ。
書かないことには何も始まらない。
どうやら素人ほど、書く前にあれこれ計画を立ててしまうようです。
しかしいざ書き始めると、思わぬ方向に文章が進んでいくことは日常茶飯事。
ひどい時は「え?自分ってこんなこと考えていたのか!」なんて発見があることもしばしばです。
計画を立てて書き始めると、書きながらその計画とずれていくことに不快感を感じてしまう。
文章を書くのが苦手な人は、それでモチベーションが下がり、書くことが嫌になってしまうのではないでしょうか。
そもそも計画が正解かどうかもわからないのに、です。
だからまずは書こう。
とにかく毎日、なんでも良いから書くことを推奨している本もありました。
書く習慣を持つことで、心と文章がより近づいていくことを目指すそうです。
アーティスティック!(でも真理)
現在はSNSでもブログでも、書ける場所はたくさんあります。
文章力を上げたい人は、偽名(ハンドルネーム)でも良いからアカウントを作って、とにかく書き始めてみることをおすすめします。
関連記事:「ネットで文章を書いて投稿、公開する」なら、どのウェブサービスを使うべき?おすすめ4選
文章力が身につくコツ② 一文は短く
一文が長い、冗長な文章はなんとも心地が悪いですよね。
例えばこんな長ったらしい言い回しはイヤ…!↓
文章力を上げるには、とにかく書くことが必要で、それはなぜかと言うと、書いてから書くべきことが見つかることが多いからです。
スッキリさせてみます↓
文章力を上げるには、とにかく書くことが必要です。
書き始めると、書くべきことに気づきます。
なんとなく長い一文を書けた方が頭が良い気がしますが、プロは文章を短くする技術に長けています。
ただ短い文章が連続すると、これまた単調でつまらなくなります。
ですから適度に長い文章を入れましょう。
まぁ、それが難しいんですけどね。
素人の場合、おおむね短めを意識したほうが良さそうです。
文章力が上がるコツ③句読点を意識せよ
特に「、」をどの程度用いるかが文章のリズムを決めます。
文筆家たちの平均値をとると、一文に使う「、」はふたつまでが良いみたいですね。
これは縦書きと横書きでも違う気がします。
縦書きだとけっこう多く「、」を用いても違和感が少ない。
しかし横書きだと少ない方が良いと感じます。
英語において、「、」と似たような役割を果たす記号に「,(カンマ)」があります。
しかし「,」はわりと明確にルールがありますよね。
ですからその出現頻度は限られています。
対して、日本語の「、」はルールがあいまいです。
つまり英語には「、」の役割を果たす記号がありそうでない。
だからそもそも縦書きだった日本語を横書きに置き換えると「、」がもたらすリズムの変化が大きいのかもしれません。
稀代の文筆家、外山滋比古さんが著書の中でおもしろいことを言っていました。
漢数字は、一、二、三など横棒が多い。
これは縦書き(縦読み)した時に、グッとブレーキがかかる感じで強調され小気味いいからだと。
対して英数字は、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲなど縦棒が多い。
そうなると横書き(横読み)した時にやはり良いリズム感を生む。
このように縦書きと横書きでは、少し文章の流儀が変わると思われます。
ですから、自分の文章が縦書きで掲載されるか、横書きで掲載されるかを意識するのも必要なことかもしれません。
ネットで文章を発表するなら、ほとんどが横書きです。
そうなるとやはり「、」は少なめが良いでしょうね。
「句読点を意識せよ」という話から若干、話がそれましたが大事なことだと思います。(まさに書いてから、書くべきことが見つかったのです。わっはっは)
文章力が上がるコツ④語尾をばらけさせよ
個人的に文章力向上でいちばん影響が大きいと思うのがコレ。
ひとつの語尾を連続されると、単調に感じて読んでいてつまらなくなります。
○○です。
○○です。
○○です。
○○です。
…
なんかアレクサ(AI)感ありますよね(笑)
イキイキとした人間味を感じなくなるのは確かだと思います。
特に無礼講でOKな個人ブログなら、語尾の選択肢はかなり豊富。
- 体言止め+!
- ○○ですね
- ○○じゃん?
- ○○かな
などなど色んなパターンが考えられます。
もちろんかたい文章が求められる場合でも、できるだけばらけさせた方が良いでしょう。
むしろかたい文章ほど単調になりがちなので、意識すべきポイントかもしれません。
また人気ブロガーだと接続詞もオリジナリティある気がしますね。
「○○だが」を「んがっ」とか「 が!」みたいな。
ただこのへんはTPOによるので、一概に取り入れれば良くなるわけではないです。
軽妙な文章が良しとされる媒体なら、チャレンジしてみて良いかも。
文章力が上がるコツ⑤:漢字と平仮名のバランスを調整すべし
パッと見たとき、読み手のモチベーションが阻害されないように配慮しなければいけません。
これは装丁(ネットならウェブデザイン)によるところも大きいですが、書き手が注意すべきは漢字とひらがなのバランスです。
当然、漢字が多すぎれば「なんか難しそう…」と誰しもが思います。
そもそも読んでくれない人も多くなってしまう。
対して、ひらがなが多すぎてもこれは単純に読みづらい。
上手くバランスを調整する必要があります。
個人的には「兎に角(とにかく)」とか「所謂(いわゆる)」などはひらがなにして欲しい派ですね(笑)
ひらがなを印象的に用いる人といえば、糸井重里さんではないでしょうか。
ひらがなの効能や使いどころが感覚的に理解できない人は、糸井さんの文章を読んでみると良いかもしれません。
※糸井さんが毎日更新している「今日のダーリン」が読めます→ほぼ日刊イトイ新聞
まとめ:名文に近道なし、書いてから削ろう
つまり良い文章を書くには、まずはダーーー!っと書く。
そしてその後で調整する、というわけです。
どんな名文筆家もイッパツで綺麗な文章は書けないようですよ。
「小説家がいちばん使う文房具はハサミと糊」なんて話を聞いたことがあります。
つまり文章そのものを書くことより、書いてから削ったり順番を変えたりと、アレコレ推考する時間の方が長いんですね。
プロがそうなんだから、素人はなおさらです。
とにかく書いてから、
- 一文は長すぎない?
- 句読点の場所はどう?
- 語尾が揃い過ぎてない?
- 漢字とひらがなのバランスは?
などとチェックを繰り返すのが、読みやすい文章を書くコツ。
ぜひ試してみて下さい。